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透徹した眼を持つ 印刷 Eメール
2010年 6月 27日(日曜日) 08:35
ローマ帝国が滅亡の坂を転げ始めた3世紀。皇帝が次々に交代した。平均在位は4年▼「五賢帝時代」と称され、帝国が最も繁栄した頃、在位は約20年だった。『ローマ人の物語』を書いた塩野七生さんは語る。「危機の時代は、指導者が頻繁に変わる。首をすげ代えれば、危機も打開できるかと、人々は夢見るのであろうか」(『日本人へ』文春新書)▼その後、すぐに帝国が滅びたわけではない。度重なる指導者の交代が、一貫性のない統治を生み、国力を弱め、危機を乗り越えられなくなったのである ▼物事の動きには〝兆し〟というものがある。仏典には「(水に浮かんだ)華が見事に咲くのを見て、池の深いことを知る」とある。目の前の変化に一喜一憂したり、目先を少し変えて安心していてはいけない。表面に出てきた姿の裏に真実がある。それを見抜く透徹した眼を持つことが肝要だ▼私たちの生活でも、大きな事故を起こす前には必ず、小さなミスがある。大病にいたるまでに小さな症状がある。心に油断があれば、兆しを見逃してしまう▼仏法は、人生と社会で勝利するための哲学。各人の幸福、地域の発展、わが国の繁栄へ、万般にわたって兆しを知り、真実を見抜き、敢然と語り、行動していきたい。(立)
聖教新聞 2010-06-26 より
 

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